手首の痛み・腱鞘炎

大蔵カイロプラクティック川越伊勢原整体院腱鞘炎ヘッダー

手首の痛みの原因の中でも多いのが腱鞘炎です。

腱鞘炎は、筋肉を動かすための腱と、その腱をあるべき場所にとどめておく役割の腱鞘の間に起きる炎症のことです。輪状の腱鞘の中を腱が通っており、その二つが使い過ぎなどで擦れて炎症を起こしたものです。

腱鞘は体内の至る所にあり、どこで炎症が起きても「腱鞘炎」なのですが、症状のほとんどが手首に出るので「腱鞘炎」というと一般的に手首のことを指します。

 

腱鞘と腱鞘炎の起こる仕組み

腱鞘の役目

もし腱鞘がなかったら傷つく

身体を動かす時は筋肉を収縮させて動かします。

その時に筋肉の端にある腱も体内を動きますが、骨にあたることもあります。

骨は硬いので、摩擦によって腱が痛んだり切れたりしてしまいます。

そうした部位で腱を保護するのが腱鞘です。

腱鞘は、腱が骨と密着して骨の上を滑動しなければいけない場所に存在します。

もし腱鞘がなかったら無用に動く

また、人体は複雑な動きをするので、動くたびに腱が移動してしまっては思ったように身体を動かせなくなってしまいます。

腱鞘がガイドとして機能することで腱のルートを一定に保つことができます。

腱鞘の役目は、腱を保護することと、腱のルートの位置決めです。

 

腱鞘の構造

腱と腱鞘の構造

腱鞘の構造は、腱を滑膜性腱鞘(滑液という潤滑液を含む腱鞘)が包み、その外側を靭帯性腱鞘という丈夫な腱鞘が覆って骨に密着しています。

腱はこのトンネル状の腱鞘の中を往復しています。

 

腱鞘炎の起こる仕組み

しかし、動かすことが頻繁になると、過剰な往復により摩擦で炎症が起きて腫れてきます。これが腱鞘炎です。

腫れてくると、ただでも狭いトンネル内では余計摩擦が起こり、悪化の一途をたどります。

 

腱鞘炎の状況

 

腱鞘炎に関係する病気

手根管症候群

手根管症候群は掌(手の平)の手首付近にある手根管という複数の神経や腱が中を通る管状の部位で起こり、原理は腱鞘炎と同じく狭い管の中での摩擦によって起こる炎症と腫れです。

手根管症候群は腱ではなく神経(正中神経)が圧迫を受けて痛みやしびれが発生しています。

腱鞘炎 手根管症候群の発症位置

手根管症候群は親指から薬指にかけてしびれ、小指はしびれないのが特徴です。これは正中神経という親指から薬指の半分までを司る(感覚支配領域)神経が圧迫を受けるためです。

 

ドケルバン病 

ドケルバン病とは手首の腱鞘炎で、手の親指を外側に動かす腱と腱鞘が摩擦によって腫れと炎症を起こす病気です。

ドケルバン病の発症部位

手を広げる、親指を動かす動作で、手首の腱鞘付近がズキズキとうずくように、さらに悪化すると強く痛みます。

最近はスマートフォンの片手操作が原因で発症する人が増えています。

 

バネ指 

バネ指は指の腱鞘炎で、指を曲げる時に使う腱に炎症が起き、腱鞘の中で腱が引っ掛かってスムーズに動けなくなる病気です。

バネ指のバネ現象を再現

指を伸ばす時、引っ掛かって伸びにくいのを無理して伸ばすため、引っ掛かりを通り越した瞬間、バネの様な跳ねる独特な動きをするのが特徴で、この動きは「バネ現象」と呼ばれています。

この現象は発症した全ての人に表れるわけではなく、表れない人もいます。

指の付け根の痛みや腫れ、熱感、これらの症状は朝方に強く出ることが特徴です。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

いずれも使い過ぎ、無理な力がかかる体の使い方をしているのが原因です。

 

対処法

なるべく動かさない

対策としては炎症が治まるまでなるべく使わないようにしておくことです。

炎症が起きている状態では動かせば動かす程、症状は悪化していきます。

だから動かすことはなるべく控えた方がいいのですが、動かさないでいると今度はその部分だけでなく、その周りも筋肉が硬くなっていきます。その筋肉の硬さが腱鞘炎を起こす原因の一つでもあったりします。

ではどのくらい動かせばよいのかというと、痛くない範囲、動かせる範囲で動かすのがよいでしょう。無理をする必要はありません。

 

炎症部を冷やす

手根管症候群の患部を冷却

「冷やす」ことも一定の効果はありますが、注意が必要です。

炎症の対策には冷やすことが基本ですが、長時間続けると血行不良や筋肉を硬くするといったマイナス要因が出てきます。短時間に区切って行いましょう。

反対に患部を温めると炎症は悪化し、痛みを強く感じるようになりますので、炎症時に患部は温めません。

いずれもやり過ぎは悪化させますのでやめましょう。

 

ご自身でマッサージ

自分でマッサージすることは筋肉を硬くしない対策になり有効ですが、患部をマッサージするのは避けましょう。

炎症を起こしている部位をいじれば悪化するからです。

しかしその周辺の筋肉に対するマッサージは有効です。

幹部から少し離れた指先、腕や肩・首など硬くなっている場所があるはずです。

手根管症候群 自分でマッサージ

病院に行った方がいいのか?

症状が何度も繰り返す、いつまでたっても快方に向かわない、さらに悪化するといった場合は、速やかに病院(整形外科)で受診しましょう。

 

当院では

患部が炎症を起こしているので手首自体はあまり触りません。

その代わりその周辺である腕、特に前腕の筋肉の緊張を緩めます。

更には延長上にある肩や首も緩めます。こういったところにも原因がある場合が多いからです。

腱鞘炎の施術

また、安静にしていることは大事なのですが、そうすると血行が悪くなったりするので、動かせる範囲で動かします。

手首を動かす方向によっては悪化させる場合もあるので、方向に注意しながら動かしていきます。

 

「腱鞘炎」は手術を勧められることもある症状の一つですが、手術をしなくても解決する場合も多いので、手術をする前にいろいろと試してみることをお勧めします。