胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋について
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は、首の前面から側面にかかる筋肉で、頭を回したり、首を動かしたりする役割の筋肉です。
胸鎖乳突筋は、1つの筋肉が分かれ、2ヵ所に付着する二頭筋という構造の筋肉です。
分けるとややこしい話になるので今回は1つにまとめてお話していこうと思います。
どこにある筋肉なのか?
図のとおり、喉の下から耳の後ろをつないでいる筋肉です。

胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
起始(始まりの部分)
1.胸骨頭(きょうこつとう) もしくは胸骨柄(きょうこつへい)とも言う
2.鎖骨頭(さこつとう) 鎖骨の内側1/3の上縁
停止(終わりの部分)
側頭骨乳様突起及び後頭骨
働き(作用)
回旋:頭を左右に回転させる(横を向く)動き
右側の胸鎖乳突筋が収縮すると、頭が反対側の左側に回転(左側を向く)します
屈曲:首を前に倒す(下を向く)動き
両側の胸鎖乳突筋が収縮すると、首を前に倒し(下を向く)ます
側屈:首を左右に傾ける
右側の胸鎖乳突筋が収縮すると、頭が右側に傾きます
よく起こる不具合
首の痛み・肩こり
パソコンやスマートフォンの使用など、前かがみの姿勢が続くと、胸鎖乳突筋が過度に緊張して疲労がたまり、首や肩に痛みやコリが生じます。
頚部(首)回旋障害
筋肉の過度な緊張で、首を回す動きが悪くなる(可動域制限)ことがあります。
頭痛
胸鎖乳突筋の過度な緊張によって筋肉のコリが首や肩から上の頭に伝わり、緊張性頭痛が起きることがあります。この頭痛は首や肩のコリが強くなると悪化します。
目や目の奥の疲れや痛み
緊張性頭痛の発症の原理と同じなのか、目や目の奥に疲れや痛みを出すことがあります。

めまい
胸鎖乳突筋は耳のすぐ後ろに付着しているため、筋肉が緊張すると内耳への血流が悪化し、めまいやふらつきが起こることがあります。
耳鳴り
めまいと同じように耳の周辺に影響を与えることがあり、耳鳴りを感じることがあります。
顎関節症
首と顎は筋肉がつながって連動しています。
胸鎖乳突筋など首まわりの筋肉の緊張により、顎関節症(口の開閉しにくさ、顎の痛み等)に発展することがあります。
呼吸の浅さ
胸鎖乳突筋は呼吸にも関与しており、運動時など通常以上の呼吸が必要な場合に呼吸をする筋肉として作動します。
しかし、胸鎖乳突筋の使い過ぎで緊張が起こると、呼吸が浅くなり、自律神経の乱れや不調を引き起こす原因になります。
トリガーポイント(痛みの引き金点)
トリガーポイントを押圧すると、その部分に痛みが出るだけでなく、離れた部分にも痛みを飛ばすことがあります。これを関連痛と呼びます。
胸鎖乳突筋の関連痛域は他の筋肉と比べて非常に多く、
目の上、眼球の深部、耳の後ろ、耳の深部、前頭部、顎(あご)、胸骨上部
と多岐にわたります。
押圧による施術
硬くなった胸鎖乳突筋を緩める為に押圧します。
胸鎖乳突筋はそのまま押圧してしまうと気道を圧迫してしまうので、横から指で挟むように押圧します。


胸鎖乳突筋の周囲には脳に向かう血管があり、脳から出た神経の一部が腕に向かって通っています。
また、奥には気管が通っているなどデリケートな場所でもあります。
前述のとおり、胸鎖乳突筋の関連痛域には顎(あご)も含まれている為、顎関節症対策として大蔵カイロプラクティック川越伊勢原整体院では積極的に対処する箇所です。

この他にも、
- 目の疲れや目の奥の痛みがある方には目の周り
- 耳鳴りやめまいがある方には耳の周り
- 頭痛のある方には側頭部や後頭部
も胸鎖乳突筋と併せて施術しています。
実際に多くの頭痛の方から「頭痛薬を飲むのが減った」更には「必要なくなった」と喜ばれています。
胸鎖乳突筋は首の動きだけでなく、様々な症状と絡んでくることが多いので非常に重要な筋肉といえます。








